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Work仕事を知る
市民の安全を守る
“前例のないプロジェクト”

公共分野のシステム開発をひとつの強みとする両毛システムズ。新たに舞い込んだのは、これまでとはまったく毛色の違うプロジェクトだった。お客様へ最適なソリューションを提供し、会社の新たな未来を切り拓いた精鋭チームの奮闘に迫る。

MEMBER

  • 茂木 満秀

    1998年入社。公共事業部からプロジェクト推進室へ異動後、再び公共事業部へ戻り、本案件のプロジェクトマネージャーを務める。

  • 加藤 史彦

    1994年入社。市町村向けの財務会計システムに20年以上携わる。本件のプロジェクトリーダー。

  • 西澤 和晃

    2009年中途入社。外資系ITメーカーでの経験を活かし、市町村向け基幹システムの外部連携やシステム間の通信処理を得意とする。

  • 坂本 峰志

    2003年入社。市町村向け財務会計システムのプログラマーからシステムエンジニアを経て本プロジェクトに参画。

01section
積み重ねた実績を土台に
掴んだ挑戦のチャンス

プロジェクト始動のきっかけは、2016年に遡る。「市民の安全な生活を支える新しいシステム」をつくる案件について、請負業者として調達に参加しないかとの話が舞い込んだのである。当時、両毛システムズでは警察で使用されるシステムの開発を請け負った事例はなく、未知の領域であり、会社にとっては大きな挑戦を意味するものであった。

案件の概要は、古い技術で動いている既存のシステムを、最新技術を使って再構築するというもの。既存のシステムは過去に他社が構築したもので、お客様がそれを用いて行う業務の数は約80種類にもおよぶ。例をひとつ挙げると、落とし物を管理するシステムがある。拾われた落とし物はすべて国と連携したシステムで管理されるのだが、保管場所や所有の権利なども絡んでくるため情報量が膨大になる。当時の心境についてプロジェクトマネージャーの茂木が「手がけるシステムの数や予算のボリューム、納品までに与えられている期間の短さからして、“前例のないプロジェクト”だと感じました」と回想するプロジェクトが、本格的に始動していく。

02section
制約のなかで光る、
型にとらわれない思考力と創造力

社運を賭けた大規模なプロジェクトには、それを完遂できるだけのチームが欠かせない。精鋭部隊に集められたのは、プロジェクトの推進役を担う茂木。プロジェクトリーダーとして要件定義や設計の統括、人員の管理を担当する加藤。インフラや基盤を含めた、アーキテクチャの組み立てを担当する西澤。本プロジェクトのなかでも機密性や専門性の高い分野に携わり、お客様との窓口役を務める坂本。この4名を主要メンバーとして、プロジェクトが本格的に走り出した。

システムをつくる作業以前に難航したのが、お客様との打ち合わせだ。システムそのものやITとの接点が少ないお客様と、お客様の業務に関する知識が浅いメンバー。両者間のギャップはなかなか埋まらず、具体的なソリューションに繋げるための情報を懸命にヒアリングするも、会話がうまく成り立たないことも度々あった。たっぷりと時間をかけて、内容を一つひとつ詰めながら進めたいところではあったが、納期の制約でそうもいかない。システムの一部は、契約から半年後に控えた法改正と連動して、新システムでの稼働を余儀なくされていた。つまり、プロジェクト始動から半年後には、新しいシステムを部分的に稼働させなければならなかったのである。

「本来の流れなら、お客様との打ち合わせで要件を決め、それをもとに当社が練ったプランを提示して、お客様の同意を得てから設計に入ります。しかし当時は、最初のシステムを稼働させるまでの時間が極端に短かったので、打ち合わせが済んだ箇所から順次設計を始めました。設計している間に次の箇所の打ち合わせをしながら、できあがった部分の修正も並行するという、イレギュラーな流れで対応していました」と加藤は振り返る。

坂本も「わからないことばかりの状況ながらもプロジェクトが前進していたのは、お客様側の努力と協力姿勢が大きかったと思います。それに応えられるよう、金額や時間の制約があるなかで、できるだけいいものをつくるための工夫を常に考えながら取り組んでいました」と当時を回顧する。臨機応変な対応とお客様の協力を得て、契約から約半年という異例のスピードで一部のシステムを見事に稼働させることができた。

03section
時が経っても色褪せない
システムをチームワークで構築

先行して一部のシステムを稼働させた後、残りのシステムを稼働させるまでのスケジュールも依然としてタイトだった。80種類のシステムを約2年で開発し納品まで完遂するミッションは、一般的なスケジュール感からみても高いハードルといえる。そして当然のことながら、ハイクオリティなシステムが求められていた。お客様からは「最低でもこの先10年は使用したい」との要望があり、システムの開発技術として陳腐化しないものを使うことに、チームで一貫したこだわりを持っていた。

システムの画面で使ったWeb技術は、開発が始まった当時、今後これが主流になっていくだろうと予想されるものだった。具体的には、先方から提示されたJavaだけではなく、フロントエンドの技術については両毛システムズから提案したReactと呼ばれるWebフレームワーク技術を採用。開発技術関連の指揮をとった西澤は、「開発技術の新しさもさることながら、お客様の業務に合わせたカスタマイズができる仕組みもシステムに盛り込みました。たとえば、システム上でデータを処理するだけでなく、そのデータを別の業務に役立てられたり、その都度業者に機能のカスタマイズを依頼しなくても、お客様自身で作ったExcelの帳票をシステム内に埋め込むことで、自在に出力ができたりする仕組みです」と話す。お客様の業務にフィットしたカタチで、品質の高いシステムをつくり上げる過程は時間とのせめぎ合いになった。

作業が佳境に入るころには、ひと月に約100人のメンバーが携わる一大プロジェクトへと発展。プロジェクトリーダーとしてチームを束ねた加藤はこう回想する。「時間や予算や人員など、あらゆるリソースが足りないなかで、 “絶対にやり遂げるんだ”という意地のようなものが芽生えていました。リーダー同士で会話する機会を増やし、チームメンバーにも『なにか困っていることはない?』『解決できていない問題はない?』など、一人で抱え込ませないような声かけを意識。メンバーがうまく仕事を進められるよう地ならしをする役割だと自負して、プロジェクトに邁進していました」。プロジェクト全体を見回し、リーダーシップを執ってきた茂木は「開発したシステムが一つひとつ自分たちの手から離れていくのは、心からホッとしましたね。達成感よりも安堵のほうが大きかった」と正直な心境を語った。

04section
果敢なチャレンジから生まれた
新たなビジネスの可能性

嵐のような2年間を経て、ひと通りのシステムを納品完了。とはいえ納品から約半年は、お客様からこまかな指摘を受け、打ち合わせをし、修正作業を繰り返す日々が続いた。システムのみを提供する業者ならば納品終了時点でお客様との関係が切れてしまうところ、両毛システムズはその後もお付き合いを続けながら、お客様の満足を追求していく点が強みといえる。お客様の職場は大々的な人事異動が多くある環境だが、プロジェクト始動当初からまだ異動せずにいる方はもはや“戦友”に近い存在となった。

公共分野の業務は文字通り、市民生活と切り離せない。お客様との深い関係づくりを大切にする両毛システムズは、言い換えれば、安全・安心な市民の暮らしをシステムでサポートしている。難しい局面を何度も迎え、そのたびにチームワークで乗り越えてきたからこそ、社会貢献に繋がっているという手応えもひとしおだ。

今回のプロジェクトが成功を収めたことで、新たな受注も相次いだ。獲得できたのは、両毛システムズが実績をアピールしただけでなく、本プロジェクトにかかわったお客様が「両毛システムズのシステムを利用している」と他県の方に伝えてくださったおかげで、「同じシステムを導入したい」と全国からの問い合わせが増加。ありがたいことに、両毛システムズまで実際に見学へ来られたお客様もいた。“前例のないプロジェクト”は、ひとつのたしかな前例となって、両毛システムズに新たな風を吹かせてくれている。